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かすみがうらの民家改築

 

かすみがうらの民家改築


茨城県の民家の離れの改築。
江戸時代から200年以上という母屋は大変重厚で趣がある。その離れは昭和に建築されたが、先の震災でひずみが生じ、構造を補強し屋根以外を解体し、ゲストハウスとして改築をした。
石垣と白い塀から連続するように奥に見えるゲストハウスの外壁は白い珪藻土で仕上げ、屋根も現存する塀の瓦と馴染む燻瓦とした。
内部は元の木構造を生かし、天井を抜き、構造材を生かすシンプルなデザインとした。もともと構造材を見せる想定では作られていないため粗野な趣もあるが、それも面白がってしまおうという趣向だ。2階の和室の壁は珪藻土に裏山の竹を割いて施した。完成当初は青々としている竹も、数か月で落ち着いた薄茶の色になり、壁に馴染むであろう。
南には敷地内の素晴らしい庭が広がり、北には里山の風景が広がる。どこにいても四季が感じられる風情だ。
楽しく飲んで食事をすることが大好きな施主が、1階には1階の、2階には2階のシーンで酒席が設けられるようにと計画を進めた。
月明かりの美しい夜には2階の月見台に座り、庭をほんのり照らす月の下で盃を交わすのだ。
 
 
 
 
撮影 加藤 雄一
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